いよいよ梅雨本番、ジメジメして洗濯物が乾きにくくて嫌になりますね。
湿気が高いと体調にも影響がありますので、十分注意して下さいね!
さて、今回は学会で発表された「活性酸素と薄毛」についてのお話です。
そもそも活性酸素って何?それが薄毛にどうやって影響するの?って思われる方が多いと思います(←私もそう)。
なので、まずは学会発表の説明の前に、活性酸素とその影響についてお話してみたいと思います!
活性酸素が髪の毛に悪影響を及ぼす!?
私たちが生命活動を営む上で酸素の利用は必須となります。
呼吸によって体内に取り込まれた酸素の一部は、通常の状態よりも活性化された活性酸素となります。
ヒトを含めた哺乳類では、取り込んだ酸素の数%が活性酸素に変化すると考えられています。 活性酸素は、体内の代謝過程において様々な成分と反応し、過剰になると細胞傷害をもたらします。
酸素はもちろん人が生きる上でなくてはならない元素ですが、酸素=酸化させるものでもあります。
人体内の物質と活性酸素が化合すると、酸化反応が起こりタンパク質やDNAを攻撃し、メラニン増加やコラーゲン減少、早い話が老化のスピードを早めてしまいます。
当然、頭皮や髪の毛にも当てはまります。髪の毛の大部分もタンパク質からできていますし、頭皮も酸化により分解された脂肪酸やアルデヒドが悪さをし、薄毛の原因になってしまうのです。
つまりというか、やはりというか、どう考えても活性酸素は薄毛に直結してしまうのです!!
活性酸素には種類がある
さて、上記を踏まえたうえで今回の学会での発表の概要をご覧ください。
株式会社レッドビジョンが提供する女性向けヘアケアブランドより展開中の女性用医薬部外品育毛剤は5種類の活性酸素に対する抗酸化作用を有し、さらに皮膚の線維芽細胞、または毛髪を用いた紫外線傷害モデルにおいて、育毛剤の処理による傷害予防効果が確認されました。
これら試験結果を日本薬学会第139年会にて発表いたしました。
5種類の活性酸素と明記されているように、どうやら、活性酸素にも種類が存在するようですね。
今回、育毛剤の抗酸化作用が確認された活性酸素は以下の5種類です。
一重項酸素
スーパーオキサイド
過酸化水素
ヒドロキシラジカル
ペルオキシラジカル
スーパーオキサイドやら、ヒドロキシラジカルやら、中二病全開な名称ですが(笑)、れっきとした活性酸素です。
特に、紫外線(UV)により発生する一重項酸素は、頭髪に多大な悪影響を与えるとされますが、今回の発表では、レッドビジョンの育毛剤が低用量から強い作用が認められ、 細胞、または毛髪を用いた紫外線傷害モデルにおいて傷害抑制効果が確認されたそうです。
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紫外線は季節関係なく、外出すれば必ず髪の毛にダメージをもたらすものですので、ここに効果があるのは大きな意味がありますよね。
日焼けに注意。長時間紫外線を浴びると、活性酸素が発生してしまうとか。頭皮の日焼けは薄毛の原因にもなるそうです。
— 木下輝義 (@kinoshitateru) July 3, 2019
その他、パーマ剤やヘアカラーなどに含まれる過酸化水素、さらにペルオキシラジカルによって頭皮の皮脂が酸化され生成される過酸化脂質も対応可能という事で期待が膨らみます!
試験方法
「紫外線により発生し傷害をおよぼす活性酸素『一重項酸素』の消去試験」
SOAC法(SingletOxygen Absorption Capacity: SOAC法「一重項酸素消去活性評価法」)により測定しました。すなわち、育毛剤とDiphenylisobenzofuran(ジフェニルイソベンゾフラン)溶液の混合液に一重項酸素発生剤であるEndoperoxide(エンドペルオキシド)試薬を加え、吸光度の減衰に対する抑制率を求めました。
「紫外線に対する傷害抑制試験」
紫外線ランプ(紫外線波長:365 nm、紫外線度:1820 μW/cm2)を用いNIH-3T3線維芽細胞に1820 mJ/cm2のUVAを照射しました。MTTアッセイにより細胞生存率の計測により紫外線による細胞傷害を判定しました。検体の評価は育毛剤で前処理した線維芽細胞に照射を行い、細胞生存率を計測しました。
毛髪の紫外線による傷害試験は、リン酸緩衝液に浸した人毛に160 J/cm2のUVAを照射したときに溶液中に溶出するタンパク量をBradford(ブラッドフォード)法で測定して行いました。検体の評価は育毛剤で前処理した毛髪にUVAを照射してタンパク溶出量を測定しました。
結果
育毛剤による用量依存的な一重項酸素消去活性が認められ、6.25%以上の濃度では、90%以上の消去活性が示されました。
紫外線照射による細胞傷害試験では、NIH-3T3線維芽細胞への1000 mJ/cm2 のUVA照射により50%以下まで細胞生存率の減少が認められました。 一方、育毛剤を前処理することにより用量に依存した細胞生存率の増加が認められ、高用量においては紫外線未照射群と同程度の生存率が示されました。
紫外線照射による毛髪傷害試験では、毛髪に160 J/cm2 のUVAを照射することにより傷害による著明なタンパク質の溶出が認められました。 一方、育毛剤を前処理した毛髪のUVA照射によるタンパク溶出量は未照射の毛髪とほぼ同等の結果でした。
機能性評価試験を日本薬科大学 医学博士 松田佳和教授、ならびに順天堂大学 薬学博士 冨永隆生研究員らと共に行ったそうで レッドビジョンさんのホンキ度が伺えます。
株式会社レッドビジョン 「機能性評価試験」 https://redvision.jp/quality/proof/
マイナチュレもUV対応になるのか?
レッドビジョンさんといえば、女性用育毛剤としてはもっとも有名といっても過言でない『マイナチュレ』を展開するメーカーさんです。
現在、PRにおいて今回の技術がレッドビジョンの育毛剤リニューアルとして配合されるということは分かっておりますが、明確にマイナチュレの名称を見つけることはできませんでした。
昨今、紫外線の影響による髪へのダメージが取り沙汰され、注目を集めておりますが、その根幹ともいえる活性酸素除去の研究成果は、とても意義あることだと思います。
男性は特に髪も短いし、是非男性用のものも開発してほしいところですが、いかがでしょうかレッドビジョンさん!(笑)