帽子 を被るとハゲになる。一度は耳にしたことのある話ですよね。
ネットでも様々な意見が飛び交っていて、ホントのところどうなのって皆さん思っているんじゃないでしょうか。
そんなウワサを至って真面目に科学的に検証すべく、ある研究機関が立ち上げられました。
2016年1月、 帽子 内の環境を研究する組織「 帽子 内環境研究会」が発足しました。
研究代表を務めるのは東京メモリアルクリニック・平山の佐藤明男院長です。
頭髪治療を専門として、今まで頭皮や毛髪に関して10,000人以上を診療してきた中で
患者のみなさんから「帽子は頭皮や髪に影響があるのかどうか・・・」というご質問をよく聞くことがありました。
またそのような患者のみなさんの多くは、職場にて帽子を制服として着用する方々が多く、以前から研究者としても影響があるのかどうか非常に関心がありました。
研究会について 佐藤 明男
同組織は毛髪・脱毛症治療や医用工学、公衆衛生学などの研究者らで構成されており、真面目に帽子をかぶった際の頭皮環境を研究している組織なんですね!
というか帽子を被った頭皮のみを研究するという超特殊機関っぷりがすごいですね。ハゲ界のシンクタンクが我々のお洒落に影響を及ぼしてしまうかも?
職場での帽子着用は安全面や衛生面、または身だしなみなどにおいて必ず必要なものですが、果たして帽子を被ることでハゲてしまうというのは本当だったのでしょうか?
帽子内環境研究会による運動実験の結果をご覧ください。
ヘルメット( 帽子 )着用時の有酸素運動
本格的な研究に先立ち、同研究会は帽子内の環境変化に関する簡易実験を4月に実施しました。
成人男性50人が被験者として参加。各被験者は新品のヘルメットを着用した状態で、休憩を挟みつつ自転車型トレーニング器具を3時間こぎ続ける運動実験を行い ヘルメット内の温度などを細かく分析しました。
その結果、運動前は平均で20度C台前半だったのに対し、運動開始30分後には約30度Cまで上昇。その後も運動終了まで30度C近辺の値を維持したという事です。
同様にヘルメット内の湿度も運動前の70%から、運動開始30分後には80%近くまで上がり、そのまま運動終了まで80%近辺で推移。 温度、湿度ともに運動開始後30分で上昇し、その後は高い値で安定する傾向が現れました。
同実験では、運動の前後の頭皮の汚れや細菌の状況も調べました。 結果、頭皮の汚れはすでに運動前の時点で、食品工場や調理室で行う手指の汚れ検査で不合格となる基準よりも汚れていることが判明したということです。
細菌の検査では肺炎の原因菌など全13種類の菌を検出でき、汚れ、細菌の量ともに運動後は運動前に比べて増加。 その改善策としては運動後の洗髪が効果的で、汚れや細菌を大幅に減らせることを確認したということです。
その他の実験
他にも 帽子 内環境研究会では有酸素運動での被帽試験をおこなっており、頭皮の汚れ等を数値化したり、被帽による頭皮の血流値変化の分析も行っています。
例えば、 帽子 を被った状態で有酸素運動では皮の汚れを数値化するルミテスターPD-30(キッコーマンバイオケミファ株式会社製)を使用し、51人の被験者を計測。
被帽運動により、更に頭皮は汚れる事を突き止めています。
ただ血流値に関しては、普段と被帽状態との差異はわずか1%程度と大きな差は認められなかったようです。
残念ながら今回の実験で、 帽子 やヘルメットの着用と脱毛との関係を現時点で突き止めたわけではありません。
運動によるヘルメット内の環境変化を詳しく分析したという点においては評価されるべきですが、より詳しい薄毛との関係性についてはこれからといったところでしょう。
まだまだ研究は始まったばかりですが、ヘルメットを被るリスクより被らないリスクの方が大きいとする声もあります。
特に夏場の 帽子 着用は頭皮や毛髪にダメージを与える紫外線を防ぐ効果も大きく、「長時間の外出時などに帽子をかぶるべきか、かぶらない方がよいのかと聞かれれば、かぶった方がいい」と佐藤院長は説明しています。
また、「頭の不快さを感じたら帽子を脱いで日陰や室内で休憩する、というように、帽子と上手に付き合う必要がある」と続けており適度に休憩を取りつつ頭皮に風を通してやることも必要かもしれません。
今後、研究が進めばより正解に近い帽子との付き合い方がわかるようになるのではないでしょうか。今後も帽子内環境研究会から目が離せそうにありません!