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「化粧品開発展 Cosme Tech2016」イベントレポート第三回目! フラーレン の最新研究発表 セミナー講演拝聴

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前回⇒「化粧品開発展 Cosme Tech2016」イベントレポート第二回目!ヘアケアブース紹介!

理系薄毛の皆様、お待たせいたしました!(笑)

今回は「ボストンスカルプエッセンス」 に入ったことで育毛業界から大きな注目を集めることとなった フラーレンについてです。

フラーレンの原料メーカーとしては最大手のビタミンC60バイオリサーチさんが主宰されていたセミナーに参加いたしました。

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セミナーに先立って頂いた資料だけで凄い量です…!

フラーレン について

フラーレン (C60)はダイヤモンドと同じ炭素原子のみで構成されており、炭素原子数は60個からなるクラスターの総称で

ビタミンC60バイオリサーチさんの会社名もここから来ているのです。

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直径は約0.7ナノメートル(nm)⇒なんと1メートルの10億分の1!

昨年には天の川銀河でフラーレンの存在が確認されネイチャー誌にも掲載されました。

フラーレンは非局在化しており(分子の周りに雲のように広がっている) この原子が、フリーラジカル(活性酸素もフリーラジカルのひとつ。悪玉の不対原子または分子のこと)や活性酸素と反応することにより抗酸化力を発揮するという原理。

そうなんです。フラーレンの最大の武器は「抗酸化」力にあるのです!

それではその辺りをもっと詳しく、セミナーの様子を交えてお送りしていきたいと思います!

フラーレン には4種類ある

現在、市場に流通しているフラーレンは4種類あります。(これすら私は知りませんでした。汗。)

1.ラジカルスポンジ

2005年に発売されました。

強くて持続性のある抗酸化力が持ち味のフラーレンで、水溶性のためどんな成分にも配合しやすいそうです。

化粧水でも美容液でも、クリームでも育毛剤、色々な製品にこのラジカルスポンジというフラーレンが入っております。

2.リポフラーレン

2009年に発売。

油溶性で植物性のスクワランにフラーレンを安定的に溶解させた原料

油の特性を活かしたオイルリッチな製品に向いています。 (濃厚なテクスチャーのクリーム、美容オイル等)

3.モイストフラーレン

2014年に発売された フラーレン です。

昨年末に臨床データがとられ、 これが今回のセミナーで紹介されます!

フラーレンをリポゾーム(細胞膜と同じ構造を持っている人工膜。美容成分を運搬し浸透させる)の中に入れ込んだもので従来のフラーレンに比べ、角質の中にまで入り込む浸透性と保湿高価がある

非常に肌なじみが良いという事です。

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モイストフラーレン同様2014年に発売されました。

白いパウダー状のフラーレン(シリカの中にフラーレンを入れてある)

ファンデーション等のメイクアップ製品に向いています。


フラーレンのご紹介が一通り終わったところで、今回のセミナー内容に移りたいと思います。

今回、講師をして頂けるのは東京工科大学の教授である前田憲寿先生です。

前田先生は数年前からバイオリサーチC60社と共同研究し、フラーレンの優れたデータを化粧品に役立てるような研究を行われております。

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セミナーの様子

先に結論を言ってしまえば、 さまざまな臨床試験を行ってフラーレンの有用性を証明されたということです。

かなり専門的なお話でしたので、わからない部分もあるかと思いますが(私も半分理解できているかどうか…)ご興味のある方は下記の臨床内容をご参照ください。

イントロダクション

まず、最も基本的なことですが肌や頭皮トラブルで最も気をつけなくてはならないのが肌荒れです。

肌荒れが慢性化すると、かさつくようになり、キメが荒くなってきてしまいます。 結果、くすみ・色むら・透明感がなくなり小じわ・シミの原因、 頭皮であれば抜け毛等の原因になるのです。

そこで慢性的な肌荒れにならないように日頃のケアがとても重要になってきます。

荒れた肌では角質が数枚一緒に剥がれてしまう「重層剥離」というものが起こり、白層水分量も非常に少なくなります。 通常の角質は一枚づつゆっくり剥がれますが、一度に数枚剥がれてしまいます。

こういった肌荒れを防ぐためにもしっかりとしたケアが必要になるのです。

角層には大きく分けて3つのバリア機能があります。

1.水分の蒸散を防ぐ。

2.病原菌・ウィルスなど外部の有害物質から身を守る。

3.紫外線から肌を守る。

 

角層はメラニンと共に紫外線の約半分をカットする機能があります。

それが基底細胞層にある細胞(つまりはDNA)の損傷を防いでいるのです。

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また角層にはコーニファイドエンベローブ(CE)と呼ばれるタンパク質が存在し、これがしっかりと形成されないと物理的刺激に弱くなってしまいます。

CEをいかに強化するのかが角層に与えられた大切な役割と言っても差し支えないでしょう。 最近のアプローチではCEの形成促進に医薬品だけでなく化粧品でも取り入れていくというのが主流となりつつあります。

モイストフラーレンの最新データ

今回は昨年末に臨床試験を行ったモイストフラーレンのデータをご紹介したいと思います。

モイストフラーレンとはフラーレンを肌になじみの良いようなリポゾームに調整可能にした化粧品原料で保湿機能が非常に高く、それに伴い他の機能も期待されております。

以下がその時行った研究データになります。

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こちらは遊離アミノ酸の増加実験ですがモイストフラーレンが最も遊離アミノ酸を増加させていることがわかります。 PVPやラジカルスポンジ(従来のフラーレン)、グリセリンよりも高い結果となりました。

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モイストフラーレンの浸透性のテストです。

15時間後には角層レベルにまで浸透していく様子がわかります。

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こちらは被験者10名を対象とした一ヶ月の連用テストの結果です。

モイストフラーレン1%配合美容液モイストフラーレン不含美容液の三種類を腕と顔に塗布し評価しました。

臨床試験①  角層水分量

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モイストフラーレン美容液を塗布した部位(腕)の角層水分量が増加しました。

臨床試験②  弾力性(腕)

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モイストフラーレン美容液を塗布した部位(腕)の弾力性が高まっていることがわかります。

臨床試験③  肌色・透明度の変化(顔)

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L値、スペクトルにて分析した結果です。

モイストフラーレン美容液を塗布した部位(顔)の分光反射率が上がり、明るくなっています。

角層は乾燥すると白くなります。白くなるという事はつまり光を透過せず反射もさせない状態です。しかし角層は水分を含むと透明になり入ってくる光も多くなり反射する光も多くなるのです。

透明度(分光反射率)を上げるためには 角層を保湿するという事が非常に重要となってきます。

臨床試験④  たるみの変化(顔)

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仰向けの姿勢と座った姿勢でシール(20枚)の位置がどれだけ変化したのかという連用テストを行いました。

囲まれた部位が特に効果的だったところで、引き締め効果が得られたという事になります。

一連の試験結果からモイストフラーレンには、 高い保水・保湿効果、肌の弾力性が増す、透明度の改善、たるみ改善

以上のそれぞれの効果が認められました。

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フラーレンの美肌効果のメカニズム

フラーレンは非常に強い抗酸化機能を有しております。

先で述べたように角層は様々なバリア機能を持っています。

その為には細胞間脂質、コーニファイドエンベローブ(CE)、天然保湿因子(NMF)の3つが極めて重要となりますがコーニファイドエンベローブ(CE)を生成するためにはトランスグルタミナーゼ角化関連遺伝子(TGase-1)という物質が必要となります。

以下の実験はラジカルスポンジ(水溶性フラーレン)を用いて行いました。

①Bカロチンの退色テスト(抗酸化テスト)

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この実験ではビタミンEやビタミンC誘導体と同時に抗酸化力の比較を行いました。ラジカルスポンジは遥かに高い抗酸化力を発揮しました。

②UVB(紫外線)による細胞増殖抑制に対する効果

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こちらはラジカルスポンジを全投与した時と、途中から投与した時のUVB(紫外線)による細胞増殖抑制に対する効果差を検証するというものです。
結果、ラジカルスポンジを全投与した時は、何も投与しない場合、また後投与の場合よりもUVBによる細胞増殖抑制を防いだことがわかります。後添加の場合も、何も加えていないものよりは効果が認めらました。

③UVB(紫外線)によるCE発現量に対する効果

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何も投与しない場合、PVPのみ投与する場合、ラジカルスポンジ5%投与の場合において比較・検証しました。

グラフからラジカルスポンジ投与の場合のみ大幅に回復したことが見て取れます。

④UVB(紫外線)による角化関連遺伝子(TGase-1)の変動

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こちらも③の結果と同様、何も添加しない時よりもラジカルスポンジ投与時の回復率が高くなります。

⑤フラーレンによるバリア回復機能の臨床試験

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被験者10名を対象に腕に4日間フラーレンを塗布。テープストリップ法にてテストしました。

ラジカルスポンジ塗布の場合の回復率のスピードが高く、別の方法でもラジカルスポンジの有用性が実証されたと言えます。

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⑥ヒアルロン酸との併用効果に関する臨床試験

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被験者9名によるテープストリップ法実験にて行いました。 ラジカルスポンジのみのときに比べ、ヒアルロン酸+ラジカルスポンジの時の方が高い効果が得られました。

⑦過酸化物による角層の変化とフラーレンの効果

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こちらの試験ではPBS,PVPなどに比べラジカルスポンジがもっとも水分蒸散が抑えられました。 また成熟角層の回復もフラーレンが極めて高く、 角層のバリア機能がフラーレンによって保持されていると言えます。

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頭皮ももちろん肌と同じ、基底細胞層・有棘細胞層・顆粒細胞層。角質細胞層からできています。

ですから、頭皮をケアするという事は 毛乳頭や毛根また毛鞘部を守るという意味において極めて重要だという事が言えます。

今回新たに検証結果が得られたモイストフラーレンももちろんですが、今後更にフラーレンという原料が認められ、広がっていくことを期待せずにはいられないセミナーでした。

原料としてはかなり高価なものなので、なかなか難しいという側面もありますが楽しみですね!

◆前回⇒ 「化粧品開発展 Cosme Tech2016」イベントレポート第二回目!ヘアケアブース紹介!
◆続き⇒ 「化粧品開発展 Cosme Tech2016」イベントレポート第四回目! EGF ・FGF原料の抽出研究

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記事作成者

発毛君

 

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