健康食品・化粧品の総合受託(ODM)メーカーの株式会社東洋新薬が佐賀県固有の香酸柑橘類『ゲンコウ』の果皮抽出物に育毛メカニズムにおける血流改善作用を確認したと発表した。
■スーパー柑橘類「ゲンコウ」とは?
幻の香酸柑橘とも呼ばれるゲンコウは佐賀県固有の香酸柑橘類で極めて貴重な希少な果実。 見た目はスダチやカボスのようだが、県農業試験研究センターによると島固有の品種とみられ、長く島外には知られていなかった。しかも周囲14キロの島のうち、長崎から移り住んだ人々が開いたカトリック集落でしか確認されていない。
橘果皮は古来より生薬として用いられており、健胃、利尿、鎮咳、去痰の効果があることが知られている。また、柑橘果皮に含まれる成分には抗炎症作用、血流促進作用があるという報告もあり、近年、柑橘果皮の機能性に注目が集まっている。
■他の柑橘類より強い作用
2013年に行った実験では60種もの柑橘類の中でも特にゲンコウ果皮抽出物が毛乳頭細胞における育毛に関与する成長因子の発現を亢進させることを細胞・遺伝子レベルで確認し、さらに動物試験においても育毛作用を確認したが、今回東洋新薬社はヒトにおける追加知見を得るために、健常成人6名を対象とした、クロス・オーバー法にてヒト試験を実施した。
ゲンコウ果皮抽出物含有溶液(ゲンコウ群)と、プラセボ溶液(プラセボ群)に片手を1分間浸漬させた後、レーザードップラー血流計を用いて0分後(浸漬直後)10分後、20分後の指先の皮膚血流量を測定したところ、ゲンコウ群ではプラセボ群と比較して、20分後の皮膚血流量が有意に高くなることが確認されたという。 結果としてゲンコウ果皮抽出物は人の毛髪の成長に欠すことのできない血行を促進し、育毛に対する作用も期待できることが明らかになった。
この「ゲンコウ」は希少性の高さもあり知る人ぞ知る果実であったがここにきて育毛業界から一挙に注目を浴びることとなった。 東洋新薬は今後もゲンコウの機能性をさらに解明し、独自性の高い素材開発、商品開発し、より一層の拡販に注力していくとのことだ。
育毛剤などの注目成分として広く認知される日もそう遠くないかもしれない。