株式会社シャルレは、株式会社ファーマフーズと新規育毛活性成分 「Hair Growth Peptide 」の共同開発を行い、その成果を3月28日に行われた日本農芸化学会にて共同発表しました。
「Hair Growth Peptide 」とは
新規育毛活性成分「Hair Growth Peptide(ヘアグロース・ペプチド)」とは 卵黄タンパクを由来とした新規育毛活性成分で2015年10月に国際特許出願を行っております。 ファーマフーズは、タマゴからヒナが羽毛をまとって誕生することに着目し、タマゴには発毛・育毛を促す成分が存在することを着想したということです。
今回は薄毛に悩む女性ボランティアを対象とした育毛試験においてHGPの有効性と成果を共著論文として報告するとともに、日本農芸化学会にて共同発表しました。
論文は2016年1月15日発行の「FRAGRANCE JOURNAL」誌に掲載されています。
研究成果
「Hair Growth Peptide 」の経口摂取による育毛作用の検証を目的として、薄毛に悩む40〜50代の女性ボランティア全24名を対象とした育毛試験(パイロット試験)を行いました。
試験設計は二重盲検比較試験※1とし、HGP摂取群(50.5±3.4歳)ではHGPを、プラセボ群(51.0±4.6歳)では等量のデキストリンをそれぞれ4週間摂取しました。 摂取前および4週間のサンプル摂取後にそれぞれ被験者の毛髪を1cm四方に刈り、フォトトリコグラム※2により毛直径を計測しました。
この際、日本人女性の平均毛直径とされる80μm以上の毛髪を健康な硬毛とし、その頻度を解析しました。 その結果、HGP摂取群では計測部位において毛直径が増加した毛髪が観察され、摂取前に比べて硬毛頻度が有意に増加することが示されました。
一方で、頭髪以外の産毛が硬毛化したり、健康不良を伴う事例は観察されませんでした。
さらに、Visual Analog Scale(VAS)アンケート※3による体感調査では、「抜け毛が気になる」との設問に対し、プラセボ群では摂取前後に変化は見られませんでしたが HGP摂取群では摂取4週間後にスコアの改善が示されました。
「頭頂部や分け目の地肌の目立ちが気になる」との設問でも、HGP摂取群に改善が見られ、毛髪の悩みに対する心理的な不安を軽減することが示唆されました。
このような背景のもと、HGPを有効成分とした育毛対策商品の実現に向けて現在、大規模なヒト育毛試験を共同プロジェクトとして進行しております。
※1:二重盲検比較試験 試験実施者および被験者がいずれもサンプル情報を知り得ない状況で行う試験。プラセボ効果などの心理的な影響を防ぎ、被検物質の有効性を客観的に評価する方法の一つ。
※2:フォトトリコグラム 毛髪の状態を計測する方法。マーキングを行った一定区画(多くは1cm四方)の毛髪を刈った後、継時的にマイクロスコープで撮影し、毛髪の太さや伸長度などを計測する。
※3:VASアンケート 長さ100mmの横線をスコアの尺度として、被験者の感覚を可視化するアンケート調査法。横線の右端を最も強い程度(100mm)、左端を最も弱い程度(0mm)として、設問に対する被験者の回答を得る。
日本皮膚科学会の男性型脱毛症治療ガイドライン(2010年版)では、女性を対象として推奨度A(行うよう強く進められる)に分類されたのはミノキシジル外用のみとされています。
ミノキシジルで治療効果が得られない場合、自毛植毛術もしくはかつら(義髪)による整容的対処が推奨され、男性とは異なり内服による治療法は確立されていません。 そのため、加齢によるヘアサイクルの乱れや体質変化に適応した、女性のための新素材が待望されています。
卵はハゲの原因?
当ブログでも以前、卵が抜け毛の原因になると書いたことがあります。
⇒卵かけご飯がハゲの原因!?卵の白身に隠された恐るべき成分とは!
確かに卵がハゲの原因になるのは事実です。しかしこれは 白身に含まれる「アビジン」という成分のせいです。
卵の黄身には「ビオチン」という成分が入っており、これはタンパク質を構成しているアミノ酸の代謝を促してくれる効果があるのでむしろ育毛に直接効果があると考えられております。
今や男性と同じくらい薄毛で悩む女性がいるといわれているにも関わらず、フィナステリドやデュタステリドのような内服薬がない事、また医薬品以外の育毛剤市場も男性用ほど確立されておらず、まだまだこれからの分野であることは間違いありません。
今後、この卵黄タンパクを使った育毛成分「Hair Growth Peptide」が女性育毛剤の明るい未来を切り開いてくれることを期待せずにはいられませんね!
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