日本メナード化粧品株式会社は、女性の薄毛に関わるDNAの特徴を発見したと発表しました。引用元のニュース記事で確認できます。
同社は、1200人の日本人女性の遺伝情報と頭髪に関するアンケート結果との関連解析により、女性の薄毛と関連性が高いSNP(一塩基多型)として「rs2419385」を見出しました。このSNPは、AAタイプ<AGタイプ<GGタイプの順に薄毛になりやすい傾向にあることがわかりました。
この研究成果は、薄毛になりやすい体質かどうかを遺伝的傾向から予測する技術や、個人の体質に応じた予防・改善方法の提案へ応用が期待されます。なお、本研究成果は、国際科学誌「Journal of Cosmetic Dermatology」オンライン版に掲載されました。
当記事では、毛髪診断士が女性の薄毛に関するアンケート結果やSNPについて詳しく説明します。是非ご覧ください!
遺伝子が語る女性の薄毛:新たな発見とその意味
DNA解析と女性の薄毛:1200人の日本人女性の研究から
外川さん、本日もよろしくお願いいたします。今回は、メナード化粧品が行った女性の薄毛に関する研究についてお話しいただけますか?
幸代さん、こんにちは。はい、この研究は非常に興味深いものですよ。メナード化粧品は、日本人女性1200人を対象に、頭髪に関するアンケートと遺伝情報の解析を実施しました。その結果、女性の薄毛と関連性が高いDNAの特徴(SNP)を発見したということです。
そうなんですね。でも、DNAやSNPって何ですか?
DNAとは、私たちの体細胞にある遺伝情報を記録した分子です。DNAは、A、T、C、Gという4種類の塩基が並んでできています。この塩基の並び方が個人差を生み出します。SNPとは、Single Nucleotide Polymorphism(一塩基多型)の略で、DNA配列の中で一つだけ塩基が異なる部分を指します。SNPは約1000万箇所あると推定されており、体質や病気のかかりやすさなどに関わると考えられています。
なるほど。つまり、SNPは私たちの個性を表す指標みたいなものなんですね。
そう言えますね。メナード化粧品は女性の薄毛と関連性が高いSNPとして「rs2419385」というIDが付けられたものを見つけました。このSNPは、AAタイプ<AGタイプ<GGタイプの順に薄毛になりやすい傾向にあることがわかりました。
えっ!私はどれなんでしょうか?気になります!
このSNPは唾液サンプルから解析できます。ネットで「ジェネティックス DNA解析」と調べると色々なサービスが出てきますので問い合わせてみるのもいいかもしれませんね。
そうなんですか!それはぜひ試してみたいです。でも、自分のSNPを知っても、どうすればいいんですか?
SNP(一塩基多型)とは何か:DNA配列の個人差を理解する
先程も説明しました通り、SNPとはDNA配列の中で一つだけ塩基が異なる部分を指します。この塩基の違いが、私たちの体質や病気のかかりやすさなどに影響を与えると考えられています。例えば、肌のシミやシワのできやすさに関わるSNPもあります。
なるほど。私はシミが気になるので、そのSNPも調べてみたいです。
そうですね。メナードではフェイシャルエステを受けることもできるサロンなどもありますので自分の肌質に合った化粧品やケア方法を相談してみるのも良いと思いますよ。
それは便利ですね。でも、今回は女性の薄毛に関するSNPについてお話ししたいと思います。このSNPは、どうやって薄毛に影響するんですか?
このSNPは、毛包幹細胞という毛髪の起源となる細胞に関係しています。毛包幹細胞は、毛周期という周期的な成長と休止を繰り返す過程で、発毛を促進する役割を果たします。しかし、このSNPがGGタイプの場合、毛包幹細胞の機能が低下し、発毛が抑制されることがわかっています。
そうなんですか!じゃあ、GGタイプの人は薄毛になりやすいんですね。
そう言えますね。ただし、SNPだけが薄毛の原因ではありません。生活環境や頭皮ケアなども大切です。特に女性の場合、ホルモンバランスやストレスなども影響します。
そうですよね。私も産後の抜け毛がひどくて悩みました。でも、育毛やヘアケアに気を付けてきたおかげで、40代になってようやく自分の頭髪に自信を持てるようになりました。
それは素晴らしいですね。
遺伝子レベルでの薄毛予防:未来への期待
さて、ここまで女性の薄毛と関連性が高いSNPとそのメカニズムについてお話ししました。では、このSNPを持っている人はどうすればいいのでしょうか?
そうですね。私も気になります。自分のSNPを知っても、それを変えることはできないですよね。
そうですね。現在のところ、SNPを変えることはできません。しかし、それは決して諦めるということではありません。SNPは遺伝子レベルでのリスクを示すものですが、それだけが薄毛の原因ではありません。生活習慣や頭皮ケアなども大切ですし、早期発見・早期治療が重要です。
では、具体的にどんなことに気を付ければいいんでしょうか?
まず、ストレスを溜めないことです。ストレスはホルモンバランスを乱し、薄毛の原因になります。リラックスできる時間を作ったり、趣味や運動などでストレス発散をしたりしましょう。
そうですね。私もストレスが溜まると頭皮がかゆくなったりします。
それは良くない兆候ですね。頭皮がかゆくなると、掻いたり引っ張ったりして髪にダメージを与えてしまいます。また、頭皮が乾燥したり炎症を起こしたりして、毛根に栄養が届きにくくなります。
そうなんですか!じゃあ、頭皮ケアも大事なんですね。
はい、頭皮ケアは非常に大事です。頭皮は髪の土台ですから、健康な頭皮を保つことが美しい髪の秘訣になります。ただ、遺伝子レベルでの予防となると頭皮ケアとは違って一般にあまり浸透していないのが現状です。
遺伝子レベルでの薄毛予防ができるとしたら、それはすごいですね。
実は、世界では遺伝子レベルでの薄毛治療に向けた研究が進んでいます。例えば、幹細胞技術を使って髪の毛を再生させるという方法があります。
幹細胞技術ですか?それはどういう仕組みなんですか?
幹細胞とは、どんな細胞にも分化する可能性を持つ細胞のことです。幹細胞技術とは、幹細胞を特定の細胞に分化させて、欠損した組織や臓器を再生する技術のことです。1
なるほど。では、髪の毛も幹細胞で作れるということですね。
そうです。髪の毛を作るためには、毛包幹細胞という特殊な幹細胞が必要です。しかし、これらの細胞は加齢やストレスなどで減少してしまいます。
だから薄毛になるんですね。
そうです。そこで、研究者たちは他の細胞から毛包幹細胞を作り出す方法を探しています。例えば、血液や皮膚などからiPS細胞という万能な幹細胞を作り、それを毛包幹細胞に分化させるという方法があります。
iPS細胞ですか?それは聞いたことがあります。
iPS細胞とは、成人の体細胞に特定の遺伝子を導入することで、再びどんな細胞にも分化できるように戻した細胞のことです。この技術は日本の山中伸弥教授が発見したもので、世界的に注目されています
すごいですね。日本人が発見したんですね。
はい。このiPS細胞技術を使って、研究者たちはマウスやヒトの髪の毛を再生させることに成功しています。まだ臨床試験や安全性の確認などが必要ですが、将来的には人工的に作った毛包幹細胞を頭皮に移植することで、薄毛を治療できる可能性があります。
それは期待できますね。でも、それはまだ先の話なんですよね。
そうですね。現在のところ、幹細胞技術による薄毛治療はまだ実用化されていません。それまでは、頭皮ケアや育毛剤などで薄毛の進行を防ぐことが大切です。
今できることから始めていきたいと思います。ありがとうございました。
どういたしまして。今日はお疲れ様でした。また次回お会いしましょう。
まとめ