前回は古代のハゲ事情についてお話したが今回は近代編です。 前編はこちら
英雄誕生までの世界
1800年代頃日本は今だお茶やらレモン汁、ヘビ油などを頑張って頭皮に刷り込んでいました。
日本で最初に育毛剤が出現したのは昭和7年兵庫だといいます。
しかしこの時は育毛剤は中々流行らなかったようです。
一方アメリカではどうだったのでしょうか?
1900年代は帽子がハゲの原因となっているという噂が流行したそうです。
筆者自身帽子をかぶると頭皮が痛くなる経験が何度もあるので当然よくないと思っていましたが違うんでしょうか?無関係というわけではないと思いますが・・・。
そういう関係で血行を良くするバキュームハットが発売されたようです。
続く1920年には電気櫛、毛穴清掃用の機械、シャンプーなども発売されました。
そして1959年に自毛植毛開始です。この後20年もの間行われました。
1960年後半には人口毛髪の大量生産が可能になり沢山のカツラたちが人々の頭部を暖めました。
こうして続々と薄毛ツールが増えていきましたが日本で育毛剤が普及しだしたのは1970年台に入ってからです。カラーテレビの広がりと同時に徐々に広がっていき1980年代の中国漢方の育毛剤でブームがおきました。
そしてその間にも眠っていた英雄が目を覚まし始めていたのでした。
待たせたな
育毛業界に新星が誕生します。
今まで今一つ効果が感じられなかった育毛剤。
数多の医師、学者が研究を重ねてきた育毛の未来に光が見えました。
成分の名前はミノキシジル
元はアップジョン、現在のファイザー社が1960年代に高血圧の薬で血管拡張作用のある経口薬として開発されました。
それが1976年に薄毛改善薬としての研究が始まりました。ミノキシジルを服用した患者の髪が濃くなって行き太くなっていると発覚したのです。
当初、育毛の仕組みは今までの育毛剤のように髪付近の血管を拡張して血行を良くしているからだと思われていたようです。
だがどうやらこの成分は育毛に影響がある遺伝子に何らかの刺激を送っているらしい事、毛母細胞の細胞分裂を促している事が数々の研究で判明しました。
その証拠にミノキシジルを与えたラットには、与えられなかったラットに比べ明らかにDNA合成とタンパク質合成の増加が見られたのだという。しかし結局ミノキシジルは経口育毛剤として発売されることは無かった。
犬を使った実験で心臓破裂の事例があったのだ。これには内服薬としての開発は中止せざるを得なかった。
そうして経口薬をローションに変えミノキシジル2%の「ロゲイン」が1988年に発売されたのだった。
(画像は当時の物では無い)
現在国内ではロゲインは未認可だが個人輸入などで手に入る。
国内で有名なのはリアップだろうか。男性を始め今ではかなりの知名度になっている。
ミノキシジル だけじゃない。育毛医薬品
先述のミノキシジルとは違うアプローチの医薬品も登場する。
フィナステリド(プロペシア)という抗アンドロゲン薬。つまりは男性ホルモン抑制薬である。
元々はこちらもAGA(男性型脱毛症)の薬として開発されたわけではなく前立腺肥大の薬として
開発されたものです。そこからまた恒例の「髪が・・(以下略」というわけです。
なんだかミノキシジルもフィナステリドも生い立ちがED治療薬と似ています。最近週刊誌を賑わしたED治療薬?もたしか前立腺肥大薬だったというしかの有名なバイアグラも高血圧の薬だったといいます。
本来の薬効とは違うところで効果を発見するのはどちらも自然の流れに逆らったある種の贅沢な悩みだからなのかもしれませんね。
話は外れましたがフィナステリドもようやく1992年に前立腺肥大薬として、1997年にAGAの治療薬としてアメリカの食品医薬品局(FDA)に認可され2005年には日本でも認可されました。
こうしてAGA治療薬は日々進化しています。
種類は様々で血管拡張させるミノキシジルタイプや毛母細胞を活性化させるもの、フィナステリドの様にホルモンに働きかける物
そして皮脂除去、殺菌タイプなどが続々発売されている。
発毛ライフでは今後登場する育毛ツールを追い続けていこうと思います。
読者の方々に最適なアイテムが見つかりますように。