AGA(男性型脱毛症)とひとくちに言っても、その原因は様々です。
もっとも言われるのが遺伝やホルモン由来のものですが、それ以外も色々な要素が複合的に絡まって起こるのです。
そんなAGAの原因を、どれが一番引き起こされやすいのか因子ごとに統計データを取った研究が発表されました! 飲酒や喫煙、中には果物の取りすぎでAGAなるという意外なデータまで出てきております。
早速、ご紹介していきましょう。
くだもの がAGAの進行に影響を与える!?AGA患者カルテデータから因果推論
Dクリニックは、令和元年7月に20周年を迎え、20年間で220万人※の治療実績を有する頭髪専門クリニックです。 今回238,197件の男性のAGA患者の問診票やカルテの診察履歴データから10,605件のデータを抽出し、 男性型脱毛症(Androgenetic Alopecia; AGA)の進行および遅延する要因を探索するために因果推論という手法を用いて統計処理を行い、因子の特定を試みました。 ※2019年6月30日までの5クリニック延べ患者数
prtimes.jp今回、Dクリニックさんは20年に及ぶ膨大な問診・カルテからAGAの原因因子を追究すべく、統計処理を算出されたそうです。
その量は実に23万8,000件です。凄いですよね。 そんなにAGAに悩んでいる方がいると思うと、なんだか救われる気分になります。。
こちらが因子ごとの係数表になります。係数が大きい(上部)の方が、その因子によってAGAが引き起こされる可能性が高いことを表しております。
ホルモン由来のものはAGA自体ののトリガーとしてこの中には入れられていないようですが、やはり遺伝的要素が強く関係していることがわかります。
驚きなのは、第3位の要因として「くだものを好んで食べる」が挙がっている事です。
果物は身体に良いと思われがちですが、これは意外な落とし穴と言えるのではないでしょうか…。
それから、タバコを吸う・紅茶を好んで飲む・お酒を飲む等の、日常生活でよく見られる行為もAGAの原因として上位に来ています。
もちろん、これらを行っても全く平気という方もいるとは思いますが、なにせ23万8,000件のデータ量から叩き出された結果ですから、軽視はしない方がよさそうです。
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サマリー(PRより引用)
今回の結果から、従来からの報告のように遺伝的な素因はAGAの進行に強く関係していることが明らかになりました。
また喫煙や飲酒などの嗜好品を好む人はAGAが進行している傾向がみられたことにより、喫煙や飲酒はAGAの進行に影響を与えている可能性が示唆されました。
さらに健康診断で異常を指摘された人、高血圧症の既往歴のある人もAGAが進行している傾向がみられました。
これは高血圧を含む生活習慣病はAGAの発症に何らかの関連性がある可能性があることが推測されます。
一方、定期的にスポーツをしている人はAGAの進行を遅延させることもわかり、AGAの進行予防に繋がる可能性も示唆されました。
<因果推論についての説明>
今回の解析は因果関係を明らかにする因果推論という多変量解析の一つを用いました。 AGAと何かの因子の関係を示した報告は多く存在していますが、従来の論文のほとんどは相関関係は示しているものの、 どちらの因子が原因でどちらの因子が結果なのかを明確にしているものはほとんどありませんでした。
しかし今回統計処理した因果推論では変数間の因果関係を明らかにできるものであり、AGAの進行および遅延する因子を特定しています。
<Dクリニック総院長 川島 眞>
Dクリニック総院長 東京女子医科大学 名誉教授 東京薬科大学 客員教授 東京大学医学部卒業。
パリ市パスツール研究所に留学。東京大学医学部皮膚科講師などを経て東京女子医科大学 皮膚科学教室 教授・講座主任。
アトピー性皮膚炎をはじめ、美容、皮膚ウイルス感染症、接触皮膚炎などを主に研究。2018年4月より医療法人社団ウェルエイジング、医療法人翠奏会、医療法人リアルエイジ静哉会の総院長に就任。
AGAに関する疫学的な研究は様々な報告があります。1972年には189人を対象とした冠状動脈性心疾患(CHD)とAGAの相関関係を示した論文1)、2003年に報告された1390人を対象としたアルコール摂取との相関を示した論文2)、また2007年には250人を対象とした高血圧との相関を示した論文3)や740人を対象とした喫煙の相関を示した論文4)も報告されています。
その後もある因子とAGAの関連を示す疫学研究は多く報告されていますが、その根底にある機序は依然として不明であり、リスクファクターがもたらすAGA悪化のメカニズム解明など、追加の研究が必要となると思います。
今回我々が行った調査では、AGAは遺伝的な素因との因果関係が最も深く、高血圧、喫煙、アルコール摂取なども因果関係が示されています。
なかには今までの疫学研究では報告がない因子とAGAの因果関係を示した面白い結果も得られました。 今後もさらに精緻な調査を行い、これらの関連付けの根底にある原因についても究明を進めていきたいと考えています。