加齢とともに徐々に本来の色と輝きを失っていってしまう髪の毛。 何れは必ず白髪になってしまいますが、遅らせられるものなら遅らせたいですよね。
この度、英ロンドン大学ユニバーシティー・カレッジ遺伝学研究所のアンドレ・ルイス・リナレス教授率いる 研究チームが、髪の色つやが失われる原因となる遺伝子を突き止めたと発表しました。
キーポイントは遺伝子 IRF4
今まで、遺伝子研究により IRF4 という遺伝子が髪の色に影響を及ぼすことが知られておりました。 IRF4 が髪の毛などの色を決定づけるメラニン色素の作用に影響することで髪を黒くしたり、白髪にもしたりすると言うのです。
今回研究チームは遺伝子IRF4をより詳しく研究し、白髪化を遅らせたり喰いとめたりする技術や治療法の 開発に繋がる可能性を見出しました。
リナレス教授は「白髪の初期段階においては色素を作り出す胞の生存と維持において、IRF4が担っているであろう役割が関連している」と語り、さらにはIRF4遺伝子が毛髪の色を制御しているその他の遺伝子とどのように相互作用しているかを理解することで、毛包内で成長する過程での、毛髪の白髪化を阻止する化粧品への応用にもつながる可能性があると話しています。
6000人以上のDNAを解析
分析では「ゲノムワイド関連解析」という分析法に基づき実に6630人ものボランティアを対象に、DNAの類似点と身体的特徴とのマッチングを行いました。 ボランティアは、50%近くが欧州系統で、40%がアメリカ先住民、6%が近代アフリカの系統だということです。
分析の結果、「統計的有意性」のレベルに達している毛髪に関連する遺伝子の新たな相関関係が10種類発見され 今回の IRF4 遺伝子もその中に含まれるという事です。
さらに分析では血統の違いにより白髪化が始まる年齢が異なる事が判明し、コーカソイド(白人種)の場合、白髪化の平均年齢は 30代半ばごろから、南アフリカ系統は40代半ばから、そして我々東アジア系統は30代後半から白髪化が始まるという事です。
今まで白髪化の時期にはさまざまな推論がなされておりましたが、今回の研究により提供される材料は少なくないはずです。
欧米人は白髪をある程度受け入れており、中には憧れている人もいるそうです。
反対に日本人は欧米人に比べて白髪に敏感で、少しでも白髪が出てくると直ぐに染めてしまう方が多いように感じます。
日本人の顔立ちに白髪が似合わないということも影響しているのかもしれませんがもしこれをきっかけに 白髪染めに頼らない方法が出て来るとすれば朗報と言えるのではないでしょうか。
それにしても、30代後半になると白髪が増えるんですね。 ハゲ対策ももちろん、せっかくある髪もいつまでも若々しく黒々と保ちたいものですね。