自己免疫疾患の一つである円板状エリテマトーデス(DLE)による脱毛を、今回新しく開発されたタクロリムスという免疫抑制薬のローション剤が改善し、再び毛が生えるように促す効果があると確認された。
円板状エリテマトーデス(DLE)の治療には従来、ステロイド薬の外用で行われることが多かったが、この場合、完治しても痕が残って新たな毛が生えなくなることがあった。
今回研究チームが治療難治性の、生検によって証明されたDLEの患者3人に認可外の新薬であるタクロリムス0.3%のアルコールベースローション剤を経口抗マラリア薬と同時に処方したところ、3人の患者全員に患部の重症度の改善と毛髪の再成長が見られ、その後も改善が持続した。
研究チームは「タクロリムスローションは、難治性のDLEによって永続的瘢痕を残す脱毛に対する治療選択肢になりうるかもしれない」と結論づけた。
皮膚疾患による抜け毛には様々な障害があり、治療が難しいとされてきたが今回の研究により、新たな道が開ける可能性が大いに期待できそうである。