先日、医療系キュレーションメディア(まとめサイト)の最大手である「WELQ」が薬機法違反に抵触する可能性があるとして大々的に取り上げられ、現在もサイトは非公開状態となっております。
(12/2日現在、WELQを運営するDeNAではWELQ以外にも自身の運営する9つのキュレーションサイトを公開中止にしています。)
何げなくインターネットで調べごとをするとき、今や必ずと言っていいほどNAVERまとめやMARY、RETRIPまた今回のWELQなどのキュレーションメディアにたどり着きます。
ついつい鵜呑みにしがちですがもしここに記述されている情報が誤ったものだとしたら…?
【お知らせ】WELQの全記事の非公開化について
株式会社ディー・エヌ・エー(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長兼CEO:守安 功、以下DeNA)は、ヘルスケア情報を扱うキュレーションプラットフォーム「WELQ(ウェルク)」におきまして、医療情報に関する記事の信憑性について多数のご意見が寄せられたことを受け、検証および精査した結果、本日11月29日(火)21時をもって全ての記事を非公開といたしました。また同時に、現在WELQで取り扱いのある全ての広告商品の販売を停止いたしました。
ご利用いただいている皆様ならびに、広告主の皆様には、多大なるご迷惑をお掛けしましたことを深くお詫び申し上げます。
医学的知見を有した専門家による監修がなされていない記事が公開されていたことに関して、かねてより進めている医師や薬剤師などの専門家による医学的知見および薬機法※をふまえた監修体制を速やかに整えます。その上で医学的根拠に基づく監修が必要な記事においては順次監修を行い、皆様に安心してご利用いただける状態にしたのち、WELQ編集部名義で記事を掲載していく方針です。
医療情報以外の非公開化記事に関しては、WELQ編集部にて記事の品質を確認したうえで公開判断を行います。
株式会社ディー・エヌ・エー:当社運営のキュレーションプラットフォームについて
※ 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(薬機法)
本件に関するお客さまからのお問い合わせ先
メールによるお問い合わせ https://welq.jp/reports/new
2016年11月29日
WELQはその他にも、自分たちの記事を検索上位に持ってくるために色々と黒い事をやっていたそうですね。。
それはともかくとしても、我々素人はあれだけ大きいサイトが運営しているのだし内容に間違いはないんだろうと勘違いしてしまいますよね。
ネットリテラシーの必要性が叫ばれる昨今ですが、嘘の情報や正しくない情報もますます巧妙に発信されるようになってきて、ちょっとの勘違いで誰もが騙されてしまう事があり得る気がしています。
発毛ライフとしてもより精度の高い情報だけを、フィルターに通すことなくありのままにお伝えしていけたらいいなと考えていますので(もちろん薬機法に抵触しない範囲で)、今後とも宜しくお願いします。
さて、最近はネットを通じて情報を得ることが多くなってきた一方で、メーカー側もネットを利用して様々な企画やコンテンツを発信し続けています。
最近だと、自分がAGA(男性型脱毛症)なのかネットですぐ確かめられるようなページも大手メーカーが作っていたりします。
先のネットリテラシーの話ではないですけど、いったいそういうサイトの情報をどこまで信頼していいのか気になりますよね。
そこで今回は、幾つかのセルフチェックを比較してどの程度の精度なのか、分析してみたいと思います!
ネット上にある セルフチェック 比較
AGAのセルフチェックページを検索していると幾つか見つけることが出来ました。
まずは、世界最大手の製薬会社ファイザー社の日本支社が運営している男性型脱毛症セルフチェックというページ。
医療用医薬品やワクチンを製造販売しているMSD(メルク・アンド・カンパニー)社のセルフチェックページ。
それから目に付いたのが、ヘアメディカル等のAGAクリニックが行っているセルフチェックページです。
もちろん、各企業やクリニックが運営しているページなので、ある程度メーカーの商材などに結びつけていくんだろうなという予想はしていますが、果たしてどんな差があるのでしょうか!?
■ファイザー運営 男性型脱毛症セルフチェック
ご存知、医薬品製造の超エリート、 ファイザー製薬。新宿に日本支社がある外資系製薬会社の最大手です。
ノルバスク、ハルシオン、ソラナックス、バイアグラ等々、有名医薬品のオンパレードです。
AGA医薬品としてはフィナステリド錠等を製造していたりします。正式名称は、「フィナステリド錠1mgファイザー」。
そんな大御所の仕掛ける セルフチェック ページがこちら。AGAの基礎知識もしっかりと説明しながら最後にセルフチェックを行うという流れになっています。
監修されたのは杏林大学医学部 皮膚科学教室 大山学先生ということです。
早速やってみましょう。
・・・さて結果は。。
あれ!?これだけ?
どうやら、このシートを直接お医者さんに見せると話が早いよって事みたいですね。ちょっと拍子抜けしてしまいました^^;
直接メールに添付して送れたりもする親切設計です。
まあ考えてみれば、色々なケースによる抜け毛が考えられる中で、この数問を答えただけで貴方は~とか言い出す方が怖いと言えば怖いかもしれませんね。
■MSD運営 AGA セルフチェック
⇒http://www.aga-news.jp/secure/self_check/index.xhtml
次に試してみたのはMSD運営のチェックページ。MSDといえば、言わずと知れたプロペシアを作った製薬会社です。常にAGA医療をリードし続けてきたMSD社の打ちだすセルフチェックだけにこれは期待が持てそうです!
トップページはこんな感じです。北里大学名誉教授であられる勝岡憲生先生が監修されているんだそうです。良くも悪くも日本人である私はこういう権威に安心感を覚えてしまう…。
よし、やってみよう・・・ってアレ??
これさ、言い回しは違うけど、ファイザーの質問とほとんど被ってないか…?
質問数はMSDの方が一つ多いのですが、父方に薄毛の人がいる、母方に薄毛の人がいるというのを分けて質問しているため、具体的な質問はほぼ同じです。
ちなみに以下がファイザーの質問とMSDの質問内容です。
■ファイザー
1・家族に髪の毛の薄い人はいますか?
2・シャンプーやブラッシングのとき、抜け毛が気になりますか?
3・髪の毛のハリ・コシがなくなりましたか?
4・思春期以降になって髪の毛が抜け始めましたか?
5・徐々に薄毛が進行していますか?
6・額の生え際が後退してきましたか?
7・後頭部の髪の毛が薄くなりましたか?
8・額の生え際と後頭部の薄毛が目立ちますか?
■MSD
1・父、父方の祖父母のいずれかに薄毛の人がいますか?
2・母、母方の祖父母のいずれかに薄毛の人がいますか?
3・以前に比べ抜け毛が増えましたか?
4・うぶ毛のような細く短い髪の毛が多くなり、昔にくらべハリがなくなった。
5・思春期以降髪の毛がうすくなり始めましたか?
6・うす毛は徐々に進行していますか?
7・額の生え際から髪の毛が後退した。
8・頭頂部の髪の毛からうすくなった。
9・額の生え際と頭頂部の両方からうすくなった。
順番まで含めてどちらもほぼ同じ質問内容ですね。これはもしやどちらかがパクッた参考にしたのでしょうか…?
これ以上は闇が深そうなので、詮索しないことにします。
ところでMSDのチェックシートもこのチェックだけを印刷して病院に持っていくというもの。
ただ、一つだけ異なる点がありました。
それは、MSDの診断結果では「AGA(男性型脱毛症)の可能性があります。」とハッキリと言われてしまったことです。
・・・上等だぜ!(虚勢)
まあ、それはともかくそれ以外の診断内容はほとんど変わりませんでした。
■ヘアメディカル運営 AGAセルフチェック
⇒https://www.hairmedical.com/aga-check/
次に試したのはヘアメディカルのAGAセルフチェックです。
ヘアメディカルは完全にAGAクリニックなので、監修もなにもありません。薄毛治療のパイオニアとして確固たる地位を築いたクリニックですね。
【関連記事はこちら】
AGAクリニックまで無料で!?セルフケアの一歩先へ。
ここはAGAクリニックが運営しているセルフチェックページという事で期待したいところです。
・・・おっ?
ちゃんと、性別や年齢から確認してくるあたり流石といったところでしょうか。
質問は前の2つと違って、20個もあります。これは期待できるぞ・・!
ちなみに質問内容は以下の通り。
・薄毛が気になりだしたのはいつ頃からですか?
・もっとも気になる症状は?
・どの部位が薄くなったと感じますか?
・頭髪の状態は?
・抜け毛の量は?
・同年代と比べ頭髪の状態は?
・家族、又は親族に薄毛の人はいますか?
・頭皮の状況は?
・日ごろ、ストレスを感じていますか?
・バランスの良い食事を摂っていますか?
・喫煙はしますか?
・飲酒はしますか?
・睡眠時間はとれていますか?
・誰かに薄毛について指摘をうけたことはありますか?
・カラーリング歴やその頻度は?
・体毛についてお答えください。
・整髪料を使用する頻度は?
・食生活はどれに近いですか?
・運動をしている頻度は?
・20代に比べて太りましたか?
家族の状況や頭皮状況に加え、睡眠時間、栄養摂取の状況・嗜好品、運動など細かく設問されていて、しかもイエス・ノーの二択問題ではなく5つのうちから選ぶという細かさです。
流石、AGAクリニックのセルチェックテストですね!で、気になる結果は…?
「少し不安ですね。もしかして進行性の薄毛かも?注意が必要です!」
結果はAGAレベル3となりました。
結果についてのコメントも長々と載っています。
コレコレ!こういうのが知りたかったんだよ!更には先生からの一言アドバイスというコメントまで頂けてしまいました。ありがたや~。
前者2つのサイトがあくまで自分の思うものに丸を付けて医師の元に持っていきなさいというスタンスだったのに対して、ヘアメディカルのチェックシートは、クリニックのサイトらしく細かく色々と教えてくれました。
もちろん、この結果を実際に医師に相談してより詳しいカウンセリングを受けることも可能ですし、注意すべき点を見つける指標として使っても構いません。やっぱり最後に頼るべきはお医者さんということでしょうか。
男性はもちろん、女性専門のクリニックを4箇所展開(銀座、名古屋、大阪、福岡)しているのも特徴です。
専門家に相談するということは、ストレスをなくすことにもつながりますので一度カウンセリングをお受け頂くのをおススメします。
どれもしっかりと作りこんであって、一度やってみる価値はあると思いますが、中でもヘアメディカルのセルフチェックはその場で疑似カウンセリングのように回答をもらえるので面白いです。
インターネットでこういう情報が瞬時に手に入るようになったのは、なんだかんだいっても良い時代になりましたよね。
こういったきちんと医師が運営していたり、大学教授が監修しているものであればそれほど心配せずとも大丈夫でしょう。上手く利用して役立つものだけをピックアップしていきたいものです!