ウィルAGAクリニック というAGAクリニックから、ヒト幹細胞培養液から抽出した豊富な成長因子を含んだ毛発製品『AGAスカルプエッセンス』が発売されました。
AGAという名前が入っていたり、PRリリースで「発毛」「AGA改善薬」というキーワードが使われていたり公式通販サイトで「本物のAGA治療薬」等を謳っているので医薬品なのかと勘違いしてしまいますが、まったく薬ではありません。
こんなに薬っぽく謳っちゃって薬機法に引っかからないのだろうか…。
ウィルAGAクリニック とは
今回、AGAスカルプエッセンスを発売したウィルAGAクリニックは表参道・銀座・立川に店舗を構える薄毛治療の専門クリニックです。
医薬品による治療はもちろんのこと、LHDV頭皮注入法やHARG療法など最新の医療技術を取り入れ人気を博しているようですね。
LHDV頭皮注入法
LHDV頭皮注入法とは、LED Hair Direct Vitalの略で、ウィルAGAクリニックが開発した独自の治療法です。
最新機器を用いて毛根にダイレクトに発毛因子を注入します。 発毛促進に効果的なレイヤー(層)に入れるため、深いところにある大事な血管、神経を傷つけることなく、安心して治療できます。 また、冷却麻酔を用いて、0.27mmの非常に細い針で注入するため、ほとんど痛みがなく治療ができます。
IGF-1やVEGF、FGF等のいわゆる成長因子を毛根に直接注入する治療法だということで普通に育毛剤とかで付けるよりもよりダイレクトなアプローチが可能なんですね。
さらに医薬品を組み合わせることによって高い発毛率になるそうです。
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Epitrophil (エピトロフィル)GFに注目。成長因子を”確実”に浸透させる。これには納得せざるを得ない。
HARG療法
HARG療法とはカクテルと呼ばれる成長因子AAPE(幹細胞抽出増殖因子蛋白質)やビタミン類の栄養素を頭皮に注入しヘアサイクルを正常に導くという治療法です。
かなり前に話題になりましたが、HARG療法は非常に高額な割にほとんど効果が見られない等のネガティブな口コミもあり、実際どうなんだろうと思う部分もあります。
ウィルAGAクリニックの総院長である宮内シュン氏は「日本先端発毛再生医療学会」の理事を兼任されているそうです。
この日本先端発毛再生医療学会、まったく聞いたことなかったのでホームページを探しみたらあることはあるのですが、、
ワードプレスのログイン画面に飛ばされました笑
おいおい、大丈夫か?しかも公式ページ意外に一切情報が出てきません。
怪しいなぁ…。イクオスの千葉頭皮環境研究会と同じ匂いがするんですけど (^▽^;)
⇒世界初の育毛処方「 アルガス-2 」を配合した新生イクオス育毛剤。その効果と実態に迫る
まあ、公式サイトは現在絶賛構築中なのかもしれませんし、特に深追いするところでもないでしょう。
AGAスカルプエッセンスは化粧品
それよりも肝心なのはAGAスカルプエッセンスでしょう。
公式通販ページにもしっかり「本物のAGA治療薬」って出ちゃっているので、最初本当に医薬品だと思いました。
ウィルAGAクリニックに処方箋なくても買えるのでしょうか?って電話で問い合わせしてみたら「処方箋は必要ありませんよ」との回答。
よくよく聞いてみると一般用医薬品などでもなく、「医薬部外品です」と明るい感じで言われました。。
が、実際はこれ医薬部外品でもないような気がしますね。
AGAスカルプエッセンスはあくまで医薬部外品の指定を受けていない「成長因子」が主成分になります。
⇒育毛剤を選ぶとき確認してますか?医薬品・医薬部外品・化粧品の違い
フィンジアやボストンスカルプエッセンスなんかのキャピキシル成分配合のスカルプエッセンスが医薬部外品を謳えないのと同様に、このAGAスカルプエッセンスも区分上は「化粧品」であるはずなのです。
というかそもそも、スカルプエッセンスって医薬部外品である「育毛剤」の表記が薬機法上できない時に使う表現ですしね。
プレスリリースでも「AGA改善薬を発売」と大々的に謳ってしまっているので、これ割と薬機的にヤバいんじゃないかなぁ…。心配になってきます。
PR記事⇒10,000人の症例から開発したAGA改善薬を発売 「国産ヒト幹細胞培養液」高濃度配合で自宅で薄毛治療
発売しているのが仮にも病院なわけですから、そのあたりの意識が薄いような気がしてなりません。。PR会社はそこまで確認はしないのでしょうか。
念のため厚労省に確認の電話をしたのですが、厳密には答えられないものの「薬」という表現は適切ではない可能性が高いとの見解でした。うーん、やっぱりぎりぎりアウト…?
成長因子系が主でこの値段は高い?
AGAスカルプエッセンスは医薬品でなくあくまで化粧品だと分かったところで、製品の内容を見てみたいと思います。
製品名 | AGA natural scalp essence ナチュラルリメンバー <ヘアエッセンス> |
---|---|
全成分 | 水、エタノール、ヒト脂肪細胞順化培養液エキス、BG、メントール、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、パンテノール、サリチル酸、水添レシチン、 クエン酸Na、(C12-14)パレス-12、PEG-40水添ヒマシ油、香料、1・2-ヘキサンジオール、 ポリソルベート80、グリセリン、カプリリルグリコール、酢酸トコフェロール、 ヒアルロン酸アスコルビルプロピル、フェノキシエタノール、カプリロイルジペプチド-17、ヨロイグサ根エキス、ザクロエキス、ミツバハマゴウ果実エキス、オタネニンジン根エキス、トウキ根エキス、ショウヨウダイオウ根エキス、ツルドクダミ根エキス、エチルヘキシルグリセリン |
メーカー希望小売価格 | 25,926円 (税込 28,000 円) |
期間限定特別価格 | 13,889円 (税込 15,000 円) |
主成分であるヒト脂肪細胞順化培養液エキスとは、人間の幹細胞を培養したときに分泌されるペプチド成分を生成したもので「成長因子」を指します。
成長因子はDEEPER3Dやザスカルプ5.0cなどにも配合されているので割とメジャーな成分ではないでしょうか?
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ひとつ気になったのが、全成分の表記順です。
化粧品扱いのものについては、2001年の薬事法改正によって全成分を表示しなければならなくなったのですが、配合量の多い物から記載する義務があります。
水の次に多いのがアルコールである「エタノール」というのはあまり聞いたことがありません。普通に考えるとかなりネガティブポイントですが…。
通常の育毛剤・スカルプエッセンスの2~3倍近い28,000 円という強気な定価(実売価格でも1.5倍くらい?)なので効かなきゃウソだろという感じではあるのですが、成分的には少し弱い気がしてなりません。
しかし実際に製品を手にしていないので、使用感や匂い、その効果については未知数と言えます。
これは近いうちに手に入れてみるかなぁ…??