トータルヘアケアで有名な「 リーブ21 」が立て続けに原料の薬学研究を発表しました。
まず発表されたのが、ユーカリに男性型脱毛症(AGA)を抑制する作用が確認されたというもの。 同時にペパーミントでも同様の作用を確認したという事ですが、何故ここにきてリーブ21がこんなに熱心に原料研究を行うのか気になる所です。育毛剤発売の布石とも考えられますが…
ユーカリはアロマでも定番に使われている成分なのですが、研究がさらに進めば育毛剤・発毛剤などの薄毛対策成分として使われる日も遠くないかもしれません。
そこで今回は、前編と後編に分けてリーブ21が発表した研究成果について詳しく迫ってみたいと思います!!
ユーカリがなぜAGA対策(薄毛対策)に!? リーブ21 の研究結果からその謎に迫る
和田アキ子さんのCM等でも話題になり、ヘアケアブランドとしてはもうすっかりお馴染みとなったリーブ21ですが 2018年3月27日(火)に石川県金沢市で開催された日本薬学会の第138年会において、「ユーカリの5α-リダクターゼ阻害作用」を報告しました。
【発表概要】
リーブ21は、成人男性によくみられる髪が薄くなる男性型脱毛症(Androgenetic Alopecia, AGA)の発症メカニズムを明らかにし、そのメカニズムに沿って発症を抑制する天然成分を研究しています。 その中で、ユーカリの抗男性ホルモン作用を評価。5α-リダクターゼのⅠ型およびⅡ型に対する阻害試験と、アンドロゲン結合における抑制作用を調査した結果、ユーカリの抽出物にⅠ型およびⅡ型の5αR阻害およびアンドロゲン受容体への結合阻害作用を確認。
報告内容としては、ユーカリから抽出されるエキスに、AGAの進行を早める原因となるI型とⅡ型、両方の5α-リダクターゼを阻害する作用があるということです。
発毛ライフ読者の方であればよく御存じの方が多いと思いますが、ここで今一度、5α-リダクターゼについておさらいしてみたいと思います。
5α-リダクターゼとは?
男性型脱毛症(Androgenetic Alopecia, AGA)は、テストステロンが5α-リダクターゼ酵素により活性の高いディハイドロテストステロンに変換され、アンドロゲン受容体に結合することで引き起こされます。 このことから、5α-リダクターゼおよびアンドロゲン結合の阻害作用を持つものは男性型脱毛症の防止に有用であるとされ、男性型脱毛症の治療においては特に頭頂・前頭部に発現するⅡ型の5α-リダクターゼを抑えることがより重要であると報告されています。
そもそも、5α-リダクターゼにはⅠ型とⅡ型という2種類が存在し、Ⅰ型5α-リダクターゼは、側頭部と後頭部の皮脂腺にあり、一方でⅡ型5α-リダクターゼは前頭部から頭頂部の毛乳頭にあるのが特徴です。
ほとんどのAGA患者が頭頂・前頭部に薄毛を患うように、特にⅡ型が密接にAGAに関連していると考えられております。
この5α-リダクターゼが、男性ホルモン(テストステロン)を、より強い男性ホルモン(ジヒドロテストステロン)に変えてしまうために薄毛が起こると考えられています。
今回の報告で重要ポイントとなる5α-リダクターゼは、簡単に分かりやすくすると「男性ホルモンを急成長させる酵素」と言い換えられます。
人間は、代謝や消化など生命維持に関わることであれば、どれも酵素が必要不可欠ですが、AGAに悩む人にとっては、酵素がこれで嫌いになるきっかけになるかもしれませんね(笑)
5α-リダクターゼを抑える作用を持つものと言えば、真っ先に挙げられるのがプロペシアなどのフィナステリドを主成分とするいわゆる「AGA治療薬」でしょう。
他にも同様の作用をもつ医薬品としてデュタステリドなどの成分がありますが、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
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【毛髪の守護神】フィナステリドを検証!その優れた防御力と副作用
①テストステロンという男性ホルモンと結合する
↓
②より強く働いてしまう男性ホルモンのジヒドロテストステロン(DHT)になる
↓
③さらに毛乳頭細胞にある男性ホルモン受容体と結びつく
↓
④ヘアサイクルが乱れてAGAを進行させる
しかし、5α-リダクターゼに遺伝性があることから、AGAの発症は、ある意味切っても切れない縁になっているのかもしれません。
こう考えると、薄毛の進行を止めるために、どうにかこの5α-リダクターゼを阻害したいところですが、これは逆にいうと5α-リダクターゼを抑制することだけに集中すれば、薄毛対策もよりスムーズにいきそうですね。
ユーカリエキスがAGAを救う!?
方法・結果 ①5α-リダクターゼ(以下「5αR」と略称)阻害試験:ラット肝臓由来5αR粗酵素を用いて、テストステロンとの反応における阻害率をHPLCにて解析
②アンドロゲン受容体結合阻害試験:テストステロン処理したLNCaP細胞にサンプルを添加し、3日後にWST-8を用いて測定“ “総括 ユーカリ抽出液はⅠ型およびⅡ型の5αRに対する阻害作用を示した。 LNCaP細胞においてテストステロンのアンドロゲン受容体に対する結合を阻害した。
これまでの説明で、5α-リダクターゼが毛髪に悪影響を及ぼすことを理解して頂けたかと思いますが、なんと今回のユーカリエキス調査によると、5α-リダクターゼに対する阻害作用に加え、アンドロゲン受容体との結合を阻害するという両方をクリアしているようです。
天然由来のユーカリであれば、オーガニックで安全な育毛剤・発毛剤成分として人気がでそうですよね。
こういったPRには誇張が入っているケースもあるので今のところ何とも言えませんが、今後の薄毛・AGA治療の選択肢になれることを祈りたいものです。
さて、後編はペパーミントの驚くべき育毛効果についての解説です!記事更新までしばらくお待ちください。