今や薄毛には、たくさんの方法や商品で対策が打ち出されていますが、どれを使うか、そしてどのぐらいでその効果が出たかと決めるのは、もちろんその人の自由です。
しかし、医療やネットなど、様々なものが進化している中で、「なぜここまで薄毛に悩まされる人が多いのだろう…」と思いませんか?
そんな中で先日、理化学研究所の調査により、新たに進化した薄毛対策に向けた希望の光が舞い込みました。
これからは、その調査結果によって、何が可能になり、どんな薄毛対策に期待できるようになったのかについて、詳しく解説していきたいと思います。
【重大報告】毛包イメージングによってその人の 毛周期 が分かる!?
理科学研究所からは、この度以下のような発表がありました。
理化学研究所(理研)ライフサイエンス技術基盤研究センター細胞機能評価研究チームの田村泰久副チームリーダー、片岡洋祐チームリーダーらの研究チームは、毛包の細胞を体外から観察するin vivo発光イメージング法を確立し、生体ラットを用いた継続的な毛周期モニタリングに成功しました。
これは、簡単に説明すると、人それぞれの毛包を調べることで、今その髪の毛がどんな状態なのか、 毛周期 サイクルのどの時期にあたるのかを予測することができるということになります。
しかし、これが「薄毛対策にどのような影響を与えるの?」といまいちピンと来ないという方も多いのではないでしょうか。
例えば、現在では、たくさんのタイプの育毛剤が発売されていますが、その成分の内容や効果が出るメカニズムはそれぞれで異なります。
しかし、各個人で毛周期のどの部分に今あるのかということが分かるようになれば、そのサイクルに合った専用の育毛剤で、より効果的に発毛・育毛が出来るということになるのです。
そうなると、育毛剤のような薄毛対策に使われる商品も大きく進化し、種類もよりセグメント化されていきますよね。
今回の理科学研究所の発表は、薄毛に悩む人だけでなく、育毛業界全体に衝撃を与えたのは、否定できない事実です。
そもそも毛周期って何のこと?一歩先行く薄毛対策はもう間近!?
上記では、ざっくりと今回の理科学研究所の発表について説明しましたが、まだまだ難しすぎて分からないという方もいますよね。
まずこの調査結果には、髪の毛にある「毛周期」が大きく関係しているため、そこから説明していきたいと思います。
これは、今回の発表のみならず、あらゆるヘアトラブルに悩む人にとっても大切な知識となるので、是非これを機会に知っておきましょう。
毛周期とは?
毛髪は、皮膚の中にある毛包から産み出されます。毛髪の再生と脱毛の繰り返しを「毛周期」と呼び、成長期、退行期、休止期の三つのステージに分けられます。
これは、理科学研究所による毛周期の定義でありますが、簡単に説明すると毛周期とは、毛髪が生えてから抜けるまでのサイクルを3つに分けたものです。
成長期
毛周期の成長期では、毛包内に存在する毛包幹細胞や毛母細胞が分裂・増殖し、毛髪を産生します。
このように成長期とは、その名の通り、髪の毛が成長し、伸びている時期のことを指しています。
多くの人が今生えている全ての髪の毛が常に伸びている、または成長し続けていると思われていますが、一般的に成長期は、男性で3~5年、女性で4~6年といわれており、全体の割合で考えても、約8割の髪の毛しか成長期にはあたらないのが事実です。
退行期
退行期では、毛包を構成する毛母細胞などの一部が細胞死(アポトーシス)を起こし、毛包自体は小さくなっていきます。
この退行期とは、髪の毛の成長が止まるまでの時期にあたり、一般的には性別に関わらず、10日~3週間ほどの期間といわれています。
なので退行期には、次第に髪の毛根が頭皮から徐々に押し上げられ、抜けるための準備態勢に入るのです。
休止期
休止期は毛包が種々の活動(細胞分裂や細胞死)を休止します。
休止期とは、髪の毛が頭皮中で休止する時期のことで、いわば簡単に毛が抜け落ちてしまう状態の期間を指しています。
この休止期の長さは、3ヶ月~半年といわれており、1万本のうちの千本にあたる約1割が休止期を迎えています。
このように、髪の毛は生え始めてから、抜け落ちるまでのヘアサイクルがあるのですが、これは毛包という毛根を包む組織の状態で判断することができると今回の理科学研究所は発表しているのです。
そもそも毛周期は、その人のホルモンバランスの状態、生活習慣、年齢などによって左右されるものでもあるため、以前までは、髪の毛がどの周期にあるのかを判別することはとても困難でした。
毛周期を知ることで薄毛対策がより効率化する理由
上記で解説した毛周期のうち、自分の髪が成長期・退行期・休止期のどの時期にあたるのかを判別できるようになれば、以下のような育毛剤や発毛剤の開発も夢ではありません。
~ 開発例 ~
成長期向け育毛剤
退行期向け育毛剤
休止期向け育毛剤
全毛周期対応のオールインワン育毛剤
↓より進歩させると…
M字型退行期向け育毛剤
O型休止期向け育毛剤
こんな感じで、自分の毛周期が分かることで、育毛剤や発毛剤を今よりも大きく進歩させる可能性が広がりますよね。
毛周期をモニタリングできるin vivo発光イメージング法とは?
上記では、毛周期が分かることが、いかに育毛業界と薄毛に悩む人にとって重要かを理解して頂けたかと思いますが、そうなると尚更気になるのは、どうやってその周期をモニタリングするのかという方法ですよね。
そもそも今回開発された「in vivo発光イメージング法」とは、毛包の細胞を体の外側からチェックできるものであり、それを元に毛周期モニタリングが可能となるということになります。
毛包イメージングで毛周期を判別するメカニズム
理研の研究チームは、毛包を構成する細胞の一つであるNG2細胞に着目しました。NG2細胞は盛んに分裂する能力があり、脳では神経系のグリア細胞を作り出すことが知られています。毛周期を観察するモデルとしてラット体毛の毛包を調べたところ、成長期、退行期、休止期の各ステージでNG2細胞の数が大きく変化していることが分かりました。
これをみれば分かる通り、理研は、毛包にあるNG2細胞の数によって、毛周期が判別できることを発見したのです。
毛周期と一致してNG2細胞の発光が変化することが確認できました。
また、このNG2細胞の数は、超高感度カメラで撮影することで発光する具合も変わることから、「毛周期をモニタリングできる」という結果となったのです。
理研の発表から分かること。発毛剤の進化に期待!
今回は、ラットを実験台として研究された結果になりますが、この結果からみて、実際に人間の毛包で研究される日もこおそらく遠くはないでしょう。
実際に、理科学研究所の研究チームは、以下のように発毛剤の進歩に向けて、これよりも詳しく研究するとしています。
“今後、この方法が発毛剤による発毛促進効果の評価に適しているかなど、詳細に検討する予定です。”
これを機会に、発毛剤の効果・効能に即効性を求められる時代が到来すれば、多くの人が悩む薄毛トラブルも、簡単に解消できるようになるかもしれませんね。
個人的には「M字型退行期向けNcPA配合製品」を所望します!