シャンプーって本当に様々ありますよね。 数百円で買えるものから、 育毛シャンプー なんて言うと一本で諭吉さんが羽ばたいていくような高級なものまでそれこそ何百種類とあるのではないでしょうか。
宣伝文句はどれも趣向を凝らしており「オーガニック」「頭皮に優しい」「ノンシリコン」などの文言で溢れかえっております。
むしろ、ほとんどのシャンプーがそんな感じの謳い文句と共に販売されているので、いったい何が正しくて何が間違っているのかわからなくなってしまいそうです。
発毛ライフでも過去に何度かシャンプーの特集記事を組み、理想のシャンプーを探し求めて参りました。 シャンプー特集は発毛ライフの中でも注目記事上位に常に留まっており、読者の方がいかにシャンプーに対して並々ならぬ興味を持っているのかを伺うことが出来ます。
毎日行うものだからこそ、ある意味では育毛剤と同等、いやそれ以上に大切だともいえるシャンプー。
今回はなんと、オーガニックコンセプトで人気を集めるヘアーサロン
「ジラフヘアワークス」の現役美容師 榎本 慶太さんに育毛シャンプーの裏側について大々的に取材を敢行いたしました。
人気美容師が明かす、育毛シャンプーの知られざる実態とは?また、ある意味究極ともいえる、人気美容師の推薦する一本とは!?
シャンプーの概念が覆されること請け合いな対談企画といたしまして、発毛ライフ専属の毛髪診断士とジラフヘアワークスの榎本氏に思う存分語って頂きました!
こちらがジラフさんです。お洒落な外観はどことなくサバンナの大自然を思い起こさせます。
店内も清潔そのもので、リラックスしてカット&パーマを楽しむことができそうです。
美容室に入ると至る所にキリン(giraffe)が!よくお客さんにキリングッヅをプレゼントされるんだとか。
一体何匹いるのかは実際に来店して確かめて見て下さい!
今回、快く取材をお受けくださったジラフオーナー兼アートディレクターの榎本 慶太氏。
本日は宜しくお願いします!
実は、ジラフさんは昔からよくお世話になっているヘアサロンさんです。 全国でも、数えるほどの美容ディーラーしか輸入していないという「天然ヘナ・ハーブ」を取り扱うサロンとしても有名です。
それほどまでに天然・自然由来のものにこだわるという事は、シャンプーにも相当な気を使っているのではないでしょうか。
こちらこそよろしくお願い致します。
発毛ライフさんにはいつもお世話になっております(笑)
うちはご存知のように、徹底して「お客様の頭皮に優しい、安全で良いものを」というコンセプトで運営をしております。 そのためか共感してくださるお客様が遠方からも見られます。
ヘナもそうですし、モロッコ産のアルガンオイルも取り扱っており、ご好評いただいております。
オリジナルシャンプーもを展開していますので、当然、シャンプー1つにも語りたいことは山のようにございます(笑)
それは楽しみですね。
私も、毛髪診断士として発毛ライフを監修している立場なので、ズバズバ切り込んでいきたいと思っておりますのでどうぞよろしくお願いします(笑)
それでは早速ですが、育毛シャンプーというワードについて榎本さんの持たれるイメージをお伺い出来ればと思います。
育毛シャンプー とはどんなシャンプーなのか
育毛シャンプーという言葉は、幅広く使われている言葉ですが、実はそのような言葉はシャンプーの業界には正式名称として存在しません。
それはあくまでも俗称であり、成分が髪の毛に良いとされているため、シャンプーメーカーの販売戦略として育毛シャンプーと呼ばれるようになったに過ぎません。
いきなり核心をついてきましたね!
今日は言わせてもらいますよ!(笑)
育毛シャンプーの特徴は、配合されている成分に頭皮環境を整えるための成分が配合されていたり、洗浄成分が、そこまで強烈でないものが使われていたりするということです。
育毛シャンプーやスカルプシャンプーと呼ばれている商品の多くは、一般的に販売されているシャンプーに比べると販売価格が高く、そして、洗浄成分も原価の高いものが使用されています。
一般的とはよくCMをしているような?
そうです。ドラッグストアとかに陳列されているような有名シャンプーです。
一般的なシャンプーは、合成界面活性剤という洗浄成分が使われています。
これは食器を洗うときに使われている洗浄剤と同じ種類のものです。 そのため、あまり肌にやさしくありません。むしろ、肌にとって必要な水分まで根こそぎ奪い取ってしまうため、頭皮へのダメージはかなり強いとされています。
合成界面活性剤を主洗浄成分においたシャンプーでは、洗浄力が強い代わりに頭皮を傷めてしまったりする場合があるということですね。
その通りです。 一方、「洗浄」よりも「育毛」という部分を大事にしているスカルプシャンプーは、合成界面活性剤ではなく、アミノ酸系の洗浄成分や石鹸系の洗浄成分を使用しています。
その他、抗菌作用の高い成分や、炎症を抑える成分、髪の毛に栄養を与える成分、また、天然由来の髪の毛に良いとされる成分や海藻エキス、皮脂の分泌を抑制してくれる成分などが配合されている場合が多いです。
そのため、原価が高くなり、販売価格も上昇してしまいます。
販売価格が高くなると、当然それなりのメリットを打ち出さなければなりませんね。
ええ。 メーカーからすると単純に「頭皮環境をよくするシャンプー」として販売するよりも、「育毛シャンプー」として薄毛の方をターゲットとして販売したほうが、消費者が受け取る印象が変わるので販売しやすくなるのですね。
特に、薄毛が気になりだした男性は、「自分の薄毛はシャンプーが原因なのではないか」と考え、価格帯の安いシャンプーから、価格帯の高い育毛シャンプーへと切り替える方も多いようです。 しかし、実際どれだけの効果があるのか、購入している本人もよくわかっていないというのが現状のようです。
確かにそうですね。人にはよりますが、発毛ライフにメールを下さる薄毛に悩んでいる方でシャンプーの選び方についての質問が多いのは確かです。
特に、洗浄成分に関しては皆さん気になるようです。
今回お話しするのは、いわゆる「育毛シャンプー」が、育毛や発毛にとって、実際のところどれだけの効果があるのかということ。 そして美容師として皆さんに自信をもっておススメできるシャンプーのご紹介も出来ればと思っています。
ということは榎本さんのイチオシシャンプーも聞けるのですね。これは楽しみだ!
育毛シャンプーだけでは髪の毛は生えない?
それでは、まず「育毛シャンプー」というキーワードからお伺いしていきましょうか。 育毛という言葉が入っているのですが、必ずしも「毛を生やす」という部分に繋がるわけではないとお考えですか?
結論から言うと、育毛シャンプーを使用したからといって髪の毛が生えるというわけではないと考えています。 なぜなら、育毛シャンプーの配合成分をよく見てみると、それらの目的は髪の毛を生やす事ではなく、頭皮環境を整えることを目的としているからです。
実際、医学的に発毛が認められた成分が配合されているシャンプーはほとんどありません。 一部、海外のシャンプーにミノキシジルという厚生労働省やFDAが認可した育毛成分が配合されたシャンプーが存在しますが。
ミノキシジルに関しては発毛ライフの読者であれば皆さんご存知だと思います(笑)
最近ではキャピキシル配合のシャンプーなんていうのもありますね。
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シャンプーは基本的には毎日行うことであり、多い人は1日に2回シャンプーをしたりします。 その日常的な習慣となっている行為が、発毛につながるのであれば、高い効果が出るのではないかと消費者は思います。
この考えは極めて自然なことです。 そして、育毛系シャンプーの広告やCM では、シャンプーをすることによって毛穴から汚れが落ち、抜け毛の原因である皮脂も取り去ってくれるので、髪の毛も生えてくるということをイメージさせます。
大手メーカーのCMの打ちだし方を見ていると、なんとかそういう方向に持っていきたいと思っているでしょうね。
しかし、実際はイメージさせるだけで、毛穴に皮脂が詰まっていることが薄毛の原因であるということを直接的に表現している広告は一つもないことに気づくと思います。
これは、毛穴に詰まった皮脂が薄毛の原因であるということが医学的に証明されていないため、直接的にそれを伝えていると虚偽広告になってしまう可能性が高いためです。
育毛シャンプーで有名な「スカルプD」の広告もそうです。 お笑い芸人で薄毛を克服した宮迫さんの頭皮の経過写真が映った広告の下には、小さな文字で「スカルプDと頭皮治療を併用しております」と書かれています。
そこまで細かく見ていませんでしたがそうなんですか(笑)
書いてあるんですよ(笑)
髪の毛が生えた実際の理由は、AGAのクリニックへ通院し、プロペシアという薄毛治療薬を使用した結果であるといわれています。 なぜ、そんな詐欺すれすれの広告を打ってまで「シャンプーが育毛に効果がある」ということを伝えようとするのかというと、消費者の心の中に根づいてしまった「頭皮が汚れているからハゲてしまう」というイメージを拭うことができないためです。
この間違った認識が蔓延しているために、それを逆手に取ったシャンプーメーカーの戦略が成り立ってしまっているのです。
シャンプーで期待されるべきは、頭皮環境の改善であり、発毛でないことは明白なんですけれどもね。
育毛剤であれば、日本毛髪科学協会が発行する「新 ヘア・サイエンス」などにも育毛・発毛に対してのガイドラインが記載されているのできちんと理解できるのですが。
その通りです。
基本的に育毛剤は使用した後、頭皮に付けたままにしますからね。
つまり、朝、育毛剤を頭皮に付ければ、それは夜シャンプーして洗い流すまでは頭皮についたままということになります。 もちろん生活をしていく中でその成分のうちのいくらかは空気中に揮発してしまいますが、有効成分は頭皮から毛根へと吸収されていきます。
しかし、シャンプーはどうでしょうか。シャンプーをした後、泡が髪の毛に残っている状態で、そのままお風呂場を出る方はいません。
シャンプーをした後は、そのシャンプーの成分がなくなるまでしっかりとすすぐはずです。 すすぐということは、シャンプーの成分もしっかりと洗い流されてしまうということです。 つまり、シャンプーの中に髪の毛に良い成分が配合されていたとしても、それが頭皮についている時間は1分や2分という非常に短い時間だけなのです。
その短時間でそのシャンプーの成分が頭皮に影響を与えることができるはずがありません。 そのような意味で、育毛シャンプーだけをいくら使ったとしても、新たに髪の毛が生えてくるということはありえないのです。
育毛シャンプー は育毛剤の効果をサポートする。
今までの話だけを聞くと育毛シャンプーという名前をつけること自体が、詐欺ということになりそうですが、実際のところはそうも言い切れません。
なぜ、育毛効果のないシャンプーが「育毛シャンプー」として販売されていても黙認されているのかというと、育毛シャンプーを使用することによって、育毛剤の効果を高めることができる可能性があるからです。
それは先程申し上げた「頭皮環境」の改善という部分に繋がるわけですね。
はい。
シャンプーをすることによって、毛穴の汚れは落ちます。 毛穴の汚れが落ちるということは、頭皮から毛穴の奥まで育毛剤の浸透を邪魔するものがなくなるということです。
せっかく育毛剤を頭皮に塗ったとしても、その育毛剤が毛穴の奥まで浸透するのを妨げる皮脂がたくさん詰まっていたら、髪の毛を生やすために必要な育毛剤の有効成分が、しっかりと毛根の奥まで届かなくなってしまうのです。
難しい部分ですよね。だからといって強力な洗浄剤で皮脂を奪いすぎてもいけないし…
そうですね。
そもそも、普段私たちが使用している一般的なシャンプーは洗浄成分が強すぎるので、頭皮に必要な水分や脂分を奪ってしまう傾向があります。 これは将来的に考えた時に、薄毛の原因となります。
育毛シャンプーは先程申し上げたように、洗浄成分がそこまで強くないものが多いので、頭皮に与えるダメージが小さくて済みます。
つまり、育毛シャンプーを使用するということは、他の安いシャンプー(洗浄力強)を使った時に出る頭皮ダメージのリスクを最小限におさえますので、言い換えれば「薄毛になる可能性」も低くするのです。
シャンプーに関する誤解「シリコンは髪の毛に悪い」
少し「シリコン」のお話をしたいと思います。
10年ほど前「シリコンの入ったシャンプーを使うと、その配合されたシリコンが毛穴に詰まって髪の毛が呼吸できなくなり、ハゲてしまうからシリコン入りシャンプーは使わない方がいい」という考え方が広まりました。 髪の毛のプロである美容師もが、その説を信じてお客さんにその話をしていました。
シリコンシャンプーは悪者であるという考え方が一般的になったのです。
髪の毛が呼吸ですか?シリコンは確かにキューティクルを保護する成分ではありますが。。
その時のこの説の広まり方があまりにも強かったため、いまだにその話を信じている人は多いですが、実はシリコンシャンプーに対する科学的な評価は現在変化しています。 大手のメーカーが販売しているシャンプーのほとんどには、シリコーンオイルが配合されています。
このシリコーンオイルが配合されているシャンプーのことを「シリコンシャンプー」といいます。シリコンは、髪の毛の指通りを良くするという効果があります。
10年前に流行した説は、「シリコンは髪の毛の指通りを良くする代わりに、頭皮や髪の毛全体をラップするように覆ってしまうため、頭皮が呼吸できなくなる」という内容でした。 しかし、ここに誤解があります。
まず一つ目の誤解は、「シリコンが毛穴に詰まって代謝を悪くする」という誤解です。様々な実験で、毛根の新陳代謝と、シリコンには関係がないということが証明されています。
もう一つの誤解は、呼吸できないというところでしょうか。
はい。
もう一つの誤解は「シリコン入りシャンプーを使うと毛穴が呼吸できなくなる」です。 そもそも、人間は皮膚呼吸をしません。これは小学生でもわかることです。
しかし、美容院で美容師さんからもっともらしく「シリコン入りシャンプーを使うと毛穴が呼吸できなくなっちゃうんです」と聞くと、人間は皮膚呼吸なんてしないということわかっていても、ついつい信じてしまうようです。 ここまでのことを総合すると、シリコンは頭皮に関しての悪影響はないと考えるのが自然です。
なぜそういう誤解が流布してしまったのでしょうか?
元来シリコンは、シャンプーの中に成分として配合された当初から、人の体と相性がいい無害な成分だと言うことで知られていました。 そして、シリコン入りシャンプーの中に含まれているシリコンの量は、ほとんどが1%未満です。 たったそれだけの配合量で、ここまで騒がれるほどの問題になるはずがありませんよね。
では、何故全く根拠のないこのようなシリコンに対する悪い噂が流れてしまったのでしょうか。これにはいくつかの説が唱えられていますが、信憑性が高いものは2種類あります。
2つですか。具体的にお願いします。
1つ目の説は、「コストカットのため」です。 実は、シャンプーに配合されている成分の中で、シリコンというのは最も原価が高い成分です。 シリコンは悪い成分だと考えている人からすると、「シリコンは原価が安く、そのため、髪にも悪い」と考えてしまう人も多いようですが、実は正反対です。 メーカー側からすると、シリコンという成分は、原価が高いのでできれば配合したくないと考えているのです。
しかし、シリコンは指どおりをなめらかにするという作用があるので、抜いてしまうと髪の毛がパサパサになってしまいます。そのため、どうしても抜くことができなかったのです。 しかし、メーカー側がそれを逆手にとる方法を思いつきました。「シリコンは髪の毛に悪い」という説を流したのです。
まあ、ありそうな話ではありますが…。
その方法で、メーカーはシリコンによる指通りの滑らかさは、髪の毛にとって悪い作用をした結果なのだということを消費者に思い込ませることに成功しました。 つまり、シリコン入りシャンプーからシリコンを抜いて原価を安くすることに加えて、髪がパサパサになってしまうというデメリットも、消費者からすると、 「シリコンが入っていないからパサパサになっている。本来髪の毛にとってこのパサパサは良いことなんだ」というふうに考えさせたのです。
そして、メーカーは、より原価の安い、シリコンの入っていないシャンプーを、髪の毛にいいシャンプーだと表現し、シリコン入りシャンプーよりも製造コストを抑え、高い価格で販売することに成功したのです。これが1つ目の説です。
なるほど。話の筋は通っていますね。
もう1つの説は「シャンプーの中小メーカーが大手シャンプーメーカーに勝つため」です。 1990年代は、シャンプーにとっては大手メーカーだけが販売を続けている時代でした。 テレビCM は、こぞって大手メーカーのCM を流し、消費者も、シャンプーと言えば大手メーカーのものしかないというふうに考えていました。
シリコンが配合されたシャンプーは髪の毛が非常にサラサラになるので、有名人を起用したCM を流すことで、「自分の髪の毛もあの芸能人のようになるかもしれない」と考えて大手メーカーのシャンプーは爆発的に販売を続けました。 そうなると苦しくなるのが中小メーカーです。テレビCM を流すだけの企業としての力がないメーカーは、その商品力でどれだけ勝負しようとしても、その商品の力を消費者まで伝えることができませんでした。
そこで流したのがシリコンは髪に悪いという噂です。 大手のシリコン入りシャンプーが髪の毛に悪いというイメージを持たせることによって、中小メーカーが販売しているシリコンが配合されていない天然成分由来のシャンプーを、多少価格が高かったとしても買わせようと考えたのです。
コストカットからの噂か、中小企業の戦略なのか。いずれにしろ、シリコンが毛穴や毛を塞いでしまい、呼吸を出来なくさせるという説を流布することに成功したというわけですね。
シリコンは先程榎本さんが申し上げたように髪表面に付着し、指通りを滑らかにするような成分です。 ですから、ホコリや、外圧から髪を守るという作用も内包しています。もちろん同時に、他の良い成分が髪に届きにくくなるという事も確かですが、呼吸できなくなるというのは全く信憑性のない話ですね。
どちらが正しい説なのか、はっきりとは分かりませんが、このような理由で、シリコン入りシャンプーは悪者にされてしまいました。しかし、先程お伝えしたように、シリコンは髪の毛にとって悪い成分ではありません。 ということは、シリコン入りのシャンプーを使っても問題はないのか、というふうに考えると思いますが、実は必ずしもそうではありません。
髪の毛に悪いのは石油系の合成界面活性剤
先程「シリコン入りシャンプーは悪いイメージがあるが、シリコン自体に髪の毛に悪影響を与える要素はない」ということをお伝えしました。
ということは、それを使用しても髪の毛に悪くはないという結論に至ってしまいそうですが、実はそれも違います。
おっと。読者を煙に巻くのは止めてくださいね(笑)
そんなつもりはありませんよ(笑)
そもそも、なぜシリコンが配合されているのかということを考えてみましょう。
シリコンの特性は、髪の毛の指通りを滑らかにすることです。ということは、シリコンが入っていないシャンプーというのは、髪の毛をパサパサにしてしまうということです。 髪の毛がパサパサになるというのは、髪の毛から水分や脂分が奪われてしまうということです。
その通りです。
これは、シャンプーに配合されている石油系の合成界面活性剤という強力な洗浄成分によるものです。
石油系の合成界面活性剤は、食器を洗う洗剤などに含まれている洗浄成分です。 そんなもので髪の毛を洗ったらパサパサになってしまうのは仕方がないですよね。 そのパサパサ感を隠そうとして配合されたのがシリコンです。
アミノ酸系のノンシリコンシャンプーでもパサつくという話は良く聞きますが、もしこれが石油系シャンプーだったとしたら、その比ではないでしょうね。
大変なことになると思いますよ。
つまり、シリコン自体が悪いのではなく、シリコンでごまかさなければならないほど強い洗浄成分を使っているということが髪の毛に悪いのです。
洗浄成分には、この石油系の合成界面活性剤以外にも、肌にやさしいアミノ酸系の洗浄成分や、石鹸系の洗浄成分、両性イオン系の界面活性剤などがあります。
髪の毛に良いシャンプーを作ろうと思えば、それらの洗浄成分を使用すれば良いのですが、それらは非常に原価が高いです。 そのためコストを抑えてシャンプーを作ろうと思うと、どうしても石油系の合成界面活性剤を配合するしかなくなってしまうのです。
こうして考えてみるとなかなか、企業の方も苦労されてますね(笑) でも、シリコン自体のコストもありますし、そこで洗浄剤との吊り合いがとれないものなんでしょうか?
先程、シリコンはシャンプーに配合されている成分の中で、最も原価が高いと説明しましたが、配合されている量は1%未満です。 髪の毛のダメージを防ぐために洗浄成分をアミノ酸系や石鹸系、両性イオン系に変更するためのコストアップに比べると、シリコンを配合するほうが結果的には安くつくのです。
そうなんですか。 それではやはり、量販シャンプーなんかは石油系でシリコン配合の製品を作らざるを得なくなってきますね。
そうですね。
その結果、現在のような「安い石油系の合成界面活性剤が使用されたシリコンシャンプー」が、市場を席巻したのです。 そのため、シャンプーを選ぶ際には、「シリコンが入っているか入っていないか」ではなく、「洗浄成分が、肌に優しいものかどうか」を重視して選ぶ必要があります。
「ノンシリコン」を基準にシャンプーを選ぶと、ただ単に石油系の合成界面活性剤からシリコンを抜いただけという悪質な商品を選んでしまう可能性があるからです。
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